よくある誤解と正しい知識

よくある誤解や勘違いを科学の視点から分かりやすく解説しています

コリオリの力とトイレの流れ方は無関係

コリオリの力とは、回転体の表面にある物体に働く慣性力のことです。地球の自転により、地上では北半球で右向きに、南半球では左向きに力が働きます。

赤道に立って、北極へ向かってボールを投げることを想定してみましょう。地球は西から東の向きへ自転しており、慣性の法則により、投げたボールは北へ向かうと同時に、赤道の地面と同じ速度で東への運動を続けます。しかし、北へ行くにつれて地面の東向きの速さは小さくなっていきます。そのため、ボールの速さが地面の速さを追い越してしまうことになるのです。

同じように、北極に立って赤道へ向かってボールを投げてみます。ボールはまっすぐ進みますが、進むうちに地球の自転により地面が東へ動いてしまいます。結果、最初に狙った場所よりも西の方へ曲がったように見えてしまうわけです。

こうして、北半球では見かけ上、ボールが地面に対して右へそれることになります。これがコリオリの力です。

コリオリの力は、海流やジェット気流、台風・低気圧の渦の向きなど、様々な気象現象に関わっています。しかし、地球上でコリオリの力が働くには数十~数百kmというスケールが必要なため、お風呂の水やトイレの流れ方への影響は無視できるレベルと言えるでしょう。それよりも、流れる直前のわずかな水の動きや、排水口付近の形状などの影響が強いと考えられます。また、トイレに関してはもともと反時計回りに流れるように設計されているようです。


結論: トイレやお風呂の流れる向きはコリオリの力とは関係ない。


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