よくある誤解と正しい知識

よくある誤解や勘違いを科学の視点から分かりやすく解説しています

季節の原因は地球と太陽の距離ではない

地球の自転軸が傾いていることで季節の変化が起きることはよく知られていると思いますが、太陽からの距離が関係しているという誤解があるようです。実際は、地面から見た太陽の高さ、つまり地面に対する太陽光の入射角が関係しています。

地軸は現在、約23.4度傾いています。そのため北半球の夏には、南半球よりも北半球のほうが太陽に近づくように思えます。実際近くはなりますが、地球と太陽の距離を考えれば近づく割合はごくわずかに過ぎません。さらに、地球の公転軌道は円に近い楕円ですが、その近日点と遠日点(太陽に最も近いときと遠いとき)の差は500万kmにもなります。これでも違いは数%に過ぎません。近日点が北半球の冬にあたることからも、太陽からの距離の違いが季節を生じているわけではないことが分かります。
遠日点のとき北半球は夏、近日点のとき北半球は冬

季節(ここでは気温の変化のみを考えます)が生じる主な原因は、太陽光の角度と日照時間です。

夏場、太陽は空に高く昇り、その光は地面に対して垂直に近い角度で地上に届きます。逆に冬は日が低く、より地面に近いところから照らされることになります。同じ量の光が、小さな面積に真上から降り注ぐ夏と、大きな面積に斜めに当たる冬とでは、(単位面積あたりの)地面が受け取る熱量が違うわけです。
同じ量の光が、夏は小さな面積に当たるので強く、冬は大きな面積に当たるので弱い

また、日照時間については、単純に日が長ければ気温も上がるというだけなので、説明は不要でしょう。他にも大気の動きや海流など、様々な要因が影響して、一年を周期とした気候の変化が生じています。


結論: 太陽からの距離ではなく、太陽の高さや日照時間の変化によって、季節が生じる。


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コメント

わかりやすいです

  • 2014/03/29(土) 21:07:39 |
  • 匿名希望

それでは、なぜ夏至の6月下旬より、8月の方が暑くなるのでしょうか。
また、夏至より8月の方が陽射しがまぶしく感じるのですが、これはなぜなのでしょう?
実は長年の疑問なのです。よろしくお願いします。

  • 2014/08/01(金) 16:26:09 |
  • くにすち

ご質問ありがとうございます。

確かに、日差しの最も強い時期と気温の最も高い時期とでは、一か月以上もずれがありますね。単純に考えれば、これは海が暖まりにくく冷めにくい(=比熱が大きい)からです。太陽によって空気が直接暖められるよりも、地面や海が熱せられてその周りの空気が暖まる効果のほうが大きいので、ここに時間差があるということですね。
また、日本は海に囲まれているため、ことさら「暖まりにくい」と言えます。海から遠いアメリカ内陸部では、七月中旬には平均気温が最高になったりします。

日差しがまぶしく感じる、というのは難しいですね。日本の場合、夏至の前後が梅雨に当たるため、天気の悪い日が多いことが影響しているかもしれません(これも日本で暑い時期が遅れる理由の一つ)。あるいは、まぶしさには光の量だけでなく、気温や気分的な要因も関係しているのかもしれません。あと、確かに夏至のときが最も強いのですが、その前後数週間はほとんど変わらず強い、ということも強調しておきます。

  • 2014/08/02(土) 18:44:07 |
  • 管理者

なるほど、たいへんよくわかりました。
特に、『アメリカ内陸部では、七月中旬には平均気温が最高』というのは、目からうろこが落ちる思いです。
ありがとうございました。

  • 2014/08/05(火) 13:53:35 |
  • くにすち

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