よくある誤解と正しい知識

よくある誤解や勘違いを科学の視点から分かりやすく解説しています

水は90℃でも沸騰する?

水は100℃で沸騰する。もちろん正しいですが、これは1気圧のもとでの話です。富士山頂へ行けばおよそ88℃で沸騰しますし、水深3,000メートルまで潜れば、300℃になっても沸騰しません。

この性質により、高山で料理をすると火が通りにくいことがあります。逆に圧力鍋では、内部を2~2.5気圧に加圧することで、沸点を120~128℃ほどにまで上げて調理時間を短縮しています。

このように、圧力が変われば沸点や融点も変化します。10万気圧といった高圧下では「300℃の氷」なども可能なのです。


かつて水の沸点と凝固点は、セルシウス度(℃)の基準として使われてきました。純粋な水が1気圧のもとで凍る温度を0℃、沸騰する温度を100℃としたわけです。そのために、キリの良い数字になっています。

しかし現在では絶対温度「K(ケルビン)」により定義されています。温度差1℃は1Kにちょうど等しく、1Kは「絶対零度と水の三重点の差を273.16で割ったもの」です。ケルビンから273.15を引いた値がセルシウス度になります。

ややこしいですが、絶対零度とは物質がこれ以上冷えない最低の温度(0K = -273.15℃)のこと、三重点とは固体(氷)・液体(水)・気体(水蒸気)が同時に存在できる温度と圧力です。水の場合、その温度は273.16K(0.01℃)になります。この二つの差を273.16で割っているのは、セルシウス度(℃)の1目盛りと1Kを等しくするためです。

新しい定義により、1気圧における水の沸点は100℃よりもわずかに低くなりました。しかし実用上は100℃として問題ないでしょう。


ところで、やかんの口から吹き出す白い湯気は水蒸気ではありません。気体である水蒸気は目に見えないため、白く見えている湯気は液体の水の小さな粒子です。雲も同様で、液体や固体の水(氷)の粒子が集まったものです。


結論: 水の沸点は圧力により100℃以下にも以上にもなる。

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