よくある誤解と正しい知識

よくある誤解や勘違いを科学の視点から分かりやすく解説しています

宇宙は無重力ではない

数百kmの高さまで行けば、地球の重力がなくなる・・・そう思っている人がいますが、それは違います。38万km離れた月がどこかへ飛んでいってしまわないのも、その距離まで地球の重力が働いている証拠です。実は、国際宇宙ステーションの中でも、地上とほぼ同じだけの重力があるのです。

どういうことか説明しましょう。
重力(万有引力)の強さは距離の2乗に反比例します。地球の中心を重心と仮定して、中心から6,400km離れた地上での重力を100%とします。すると、国際宇宙ステーションがある高度約400kmでは、およそ88%となります。60kgの人が53kgになる計算ですが、これでは「無重力」ではないですね。
高度400kmの重力は地上の88%


ではなぜ、宇宙飛行士たちはフワフワ浮いているのでしょう?
国際宇宙ステーションやスペースシャトルなどは、地球の周りを一周90分という高速で回っています。そのため、遠心力と重力が釣り合って無重量状態が達成されるのです。しかしこの説明、いまひとつピンと来ないかもしれません。

そこで、このように考えてみます。
高度400kmにある宇宙ステーションが、秒速約7.7km(時速約28,000km)という猛スピードで動いています。1秒後には7.7km進みますが、重力があるため落ちてきます。これによって、高度は400kmよりも低くなりますが、地球が丸いので、落ちた分だけ地球の地面も曲がって、結局高度が400kmに保たれます。つまり、永久に落ち続けながら永久に地面には届かないことになるわけです。
地球を周回するものは自由落下を続けている


この「永久に落ち続けても地面に着かない」速度で、国際宇宙ステーションをはじめ、スペースシャトルや人工衛星が地球の周りを回っています。いえ、落ち続けている、と言ってもいいでしょう。そしてこの事実は、同時にもう一つのよくある誤解も解いてくれます。


上でも使ってしまいましたが、「宇宙飛行士がフワフワ浮いている」という表現は的確ではありません。これでは雲の上にでも浮かんでいるような印象ですね。
実際には浮かんでいるのではなく、宇宙船ともども自由落下を続けています。遊園地のアトラクションであるような、垂直に落ちる乗り物に乗り続けている、といったところでしょうか。

つまり、宇宙飛行士たちは落ち続ける感覚の中で眠りにつくわけです。訓練次第で慣れるものなのかもしれませんが、エレベーターのフワッとする感覚すら耐えられない私には到底無理な話ですね。


結論1: 宇宙に行っても重力はある。

結論2: 宇宙飛行士は自由落下し続けている。



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コメント

次の点を教えてください。
冬至前の日の入り時間が早く進みます。
冬至後の日の出時間が早くすすみます。
ことわざで日の入りのつるべ落としとかいいますが、
なぜ急激に時間が進むのでしょうか。
お願いします。

  • 2017/04/25(火) 15:40:27 |
  • 克己

「秋の日はつるべ落とし」とは、秋にどんどん日か短くなり、まるで太陽が勢いよく沈んでいくかのように感じることを表したことわざです。「秋の日」の「日」とは太陽のことです。

実際には太陽が勢いよく沈むのではなく、昼間あまり高く昇らないために早い時刻に沈んでいるだけです。地球から見た太陽の動きは一定で、時間の進み方も変わりません。

  • 2017/04/27(木) 03:20:33 |
  • 管理者

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