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恐竜は絶滅していない?

恐竜といえば、約6600万年前の巨大隕石衝突と、それに伴う地球環境の激変により、姿を消したとされています。確かに今現在、図鑑で見るような恐竜は地球上に存在していません。しかし研究が進むにつれ、鳥類と恐竜の近縁性が指摘されるようになり、鳥は恐竜の直系の子孫であることが分かりました。

恐竜は絶滅しておらず、今も鳥として生き延びている、とも言えるのです。


そもそも恐竜とは、竜盤類と鳥盤類の総称です。ティラノサウルス、トリケラトプスなどがそれぞれ該当します。一般に「恐竜」と呼ばれることの多い翼竜、首長竜などは、学術上は恐竜に含まれません。プテラノドン、フタバスズキリュウなどは厳密には恐竜ではないのです。

厳密な意味での「恐竜」のうち、竜盤類に属する獣脚類と呼ばれる系統から鳥類は進化しました。いいえ、鳥類はまさに獣脚類そのものとも言えます。骨格や体のつくりの類似性、羽毛恐竜の発見などもあって、鳥類のルーツが恐竜にあることはもはや疑いようもありません。そればかりか、上に挙げたティラノサウルスやトリケラトプスを恐竜と呼ぶのであれば、鳥も恐竜と呼ばなければいけないのかもしれません(下図参照)。

なお、鳥盤類は「鳥」の字が入っていますが鳥類の直接の祖先ではなく、また、翼竜も空を飛びますがこちらも系統的に直接つながってはいません。
爬虫類の大まかな分類:鳥類は恐竜に属する


上の図は、進化の過程ではなく、分類を表したものです。かなり簡略化してありますが、鳥類はティラノサウルスなどとともに獣脚類に属し、獣脚類は竜脚形類とともに竜盤類に属し、竜盤類は鳥盤類とともに恐竜類に属しています。結果として鳥類は恐竜に属しているとも言えますし、さらには爬虫類にも属していることになります。

注意して欲しいのは、白亜紀の終わり、隕石衝突と大量絶滅が起きたころには、すでに鳥類は鳥のような姿だったということです。つまり「恐竜が生き残ってそれが鳥類に進化した」のではなく、「生き残った鳥類は、実は恐竜の一種だった」というわけです。

あとは言葉の定義次第ですが、日常的に使われる「恐竜」という概念は、系統上の分類というよりは「大昔に生きていた大型爬虫類」と言ったところだと思うので、その意味では恐竜は絶滅しており、鳥は恐竜の子孫であっても恐竜ではないことになります。

また「爬虫類」も、系統云々よりは、うろこで覆われている、変温動物であるなどの形質でまとめている部分が大きいので、やはりその意味でも鳥類を独立させておくことは自然なのかもしれません。

ただし、見た目や行動様式などで判断する人間の主観に頼った分類では、どうしても曖昧になりますし、鳥と恐竜の間の線引きがますます難しくなってきた現状では、分岐分類学などによって、より客観的な分類を行う必要もあるでしょう。今言えることは、今後もこの分野は大きく動き続けるだろうということです。


学術的なことはともかく、恐竜の直系の子孫だと思うと、鳥たちもまた少し違って見えてくるのではないでしょうか。


結論: 鳥は恐竜の直系の子孫であるから、恐竜は絶滅していないとも言える。


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コメント

んん、そう思う。

  • 2014/07/24(木) 17:04:42 |
  • KSISKSKSJSJKSKSKSM

系統関係に依らない生物群の分類は、しばしば主観的価値判断を伴う恣意的なものであり、鳥を爬虫類から分断する伝統的言説の背景には、ヒトを含む内温動物を高等な存在と見なし、より下等なものとして外温動物の爬虫類を峻別しようとする「中華思想」が垣間見えるように思われてならない。

  • 2015/02/24(火) 02:40:44 |
  • H.P.Lたたき

・・・・今、私が痛切に知りたいと思うのは、
[外温性→内温性]の進化が果たして不可逆のものであったのかと言う疑問の答えである。
(殊にクルロタルシ類の進化において)

  • 2015/03/05(木) 16:14:04 |
  • H.P.Lたたき

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