よくある誤解と正しい知識

よくある誤解や勘違いを科学の視点から分かりやすく解説しています

指揮者は拍子を取っているだけではない

1, 2, 3, 4…とタクトを振る指揮者。でも、演奏のタイミングを合わせるのは、指揮者の仕事のほんの一部にすぎません。

指揮をするといってもブラスバンドや合唱団など様々ですが、とりわけクラシックのオーケストラ指揮者には、大変高い能力が要求されます。

プロのオーケストラの場合、本番前の数日~数週間で複数回、指揮者とのリハーサルが行われます。その際指揮者は、奏でられた音を聴き分けながら、より美しくより完成度の高い演奏を目指して、楽員たちに多くの指示を出していきます。

「ヴァイオリンここはもっと歌うように」
「ホルン抑えて!」
「フルートはこの音だけ突き抜けるように」

演奏者は、指揮者の指示に従い、必要に応じて譜面に書き込みながら、本番に向けて磨きをかけていきます。なかなか指揮者の望む音が出ないときは、(楽器の)セクションごとに練習することもあります。

楽譜自体に書かれていることは限られているので、楽譜どおりに演奏したところでそれは無味乾燥なものになってしまいます。曲に命を吹き込むため、作曲者の意図を汲み取り、分析して、強弱やテンポはもちろん、微妙な表情付けや音の流れ、楽器同士のバランスなど、あらゆることを決めていくのが指揮者の仕事です。


ここまで、本番前の指揮者の役割を紹介してきましたが、すでにリハーサルで十分指示を出したのだから、本番は指揮者が必要ない、と思われるかもしれません。ある意味では正解です。タイミングあわせならコンサートマスター(第一ヴァイオリン首席)ができますし、テンポがよほど変則的でない限り、プロのオーケストラが曲の途中でバラバラになることはありません。

しかし指揮者は、本番中も常に奏でられる音に気を配り、体の動きで指示を出しています。例を挙げると、手のひらを向けて顔を引くようなしぐさをしたら「音が大きい、抑えて」の意味だったり、左手でビブラートのしぐさ(弦楽器で、指で弦を抑えながら小さく揺らす)をした場合「もっと表情豊かに、歌うように」という意味だったり、などです。

動作とそれが示す意味は指揮者によって様々でしょうし、上に挙げた例も普遍的なものではありませが、こうして本番中も指示を出しながら修正していくことで、さらに質の高い演奏を実現しています。そのための指揮者なのです。

言ってしまえば、指揮者はオーケストラという楽器を弾く演奏者なのかもしれません。


結論: 指揮者は拍子を取る以外にも演奏に関する様々な指示を出している。


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