よくある誤解と正しい知識

よくある誤解や勘違いを科学の視点から分かりやすく解説しています

北極の氷が溶けても海水面は上がらない

地球温暖化の影響からか、ここ数十年で北極海の氷は急速に減少しています。しかし北極点周辺の氷が溶けても、海水面はほとんど上昇しません

北極点周辺には陸地がないため、氷は海に浮かんでいます。水に浮かんだ氷が溶けても水面が上昇しないことは、簡単な実験で確かめられます。

水の密度を1.0g/cm3、氷の密度を0.9g/cm3とします。1cm3の氷(=0.9g)をコップの水に浮かべると、アルキメデスの原理により0.9g分の水が押しのけられるので、つまり0.9cm3分の氷が水に沈みます。水面の上に出ているのは0.1cm3です。1cm3の氷が溶けると0.9gの水になりますが、これは、氷によって押しのけられていた水の体積である0.9cm3にぴったり収まります。このように、一般に水に浮かべた氷が溶けても、水面の高さは変わらないのです。
水:1.0g/cm3、氷:0.9g/cm3とする。氷が溶けても水面は変化しない

実際には海水は塩分を含むので、水よりも比重が大きくなっています。浮力も大きいので、浮かんでいる氷が塩分を含まないとした場合、余分に浮いていることになり、溶けたときにわずかながら上昇はします。しかし、海水と真水の比重の差は3%程度に過ぎないことや、海氷にも多少の塩分が含まれることから、ほとんど影響がないと言えるでしょう。


ただし、北極「圏」の氷とした場合、話は違ってきます。北極圏にはグリーンランドなど、大きな氷床を抱える陸地が存在しているので、これらの氷が融解した場合は海水面は確実に上昇します。

また、地球温暖化による海面上昇の最大の原因は、氷河・氷床の融解ではなく、海水の膨張です。海水温が上昇することで、海水自体の体積が増しているのです。


結論: 海氷が融解しても海水面は上昇しない。


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